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前回ホメオパシーについて触れました。
ホメオパシーを始めとする代替医療に関する1冊を紹介しておきます。
読んだのは少し前になりますが、友人が貸してくれた『代替医療のトリック』というタイトルの本。
イギリスの素粒子物理学博士でもあり有名なジャーナリストのサイモン・シンと、ドイツ人の代替医療の実践者であるエツァート・エルンストによる共著です。
ちなみに原題は『Trick or Treatment?』。(ハロウィンのトリック・オア・トリートにかけて)
ホメオパシー、鍼、カイロプラクティック、ハーブ療法などの代替療法は「はたして本当に効くのか」を検証する本です。※実は本のタイトル(邦題のほう)で結論が読めるんですがね。
臨床試験に基づいたデータによって公平に判断していく、と始めに書かれている通り、効くか効かないかは偽薬を使って検証する「二重盲検法」などによって証明されていきます。
結論は、WHOお墨付きの鍼治療までがプラセボ効果以外にほとんど効果なし、というもの。ただ、いくら工夫したところで鍼の儀薬となり得るものはない気がするのですが・・・。
ホメオパシーもまるで効果なし、カイロプラクティックに関しては、科学的根拠や効果がないとするだけでなく、危険性を強調しています。その他代替医療についてもおおむね否定的です。あらら。
私なんかも「古代から伝わる療法」とか「ナチュラル」「安全な」という言葉に弱く、それがあるだけでなんとなく信じ込んでしまうところがあるので、大変勉強になる内容でした。冷静な目を持たなければですね。
その一方で「代替医療が効くのか」というテーマがこんな1冊の本で説明がついてしまうほど、現代医学と代替医療の考え方には大きな差がある、というかまったく別物、ということも実感しました。
内容は衝撃的とも言えますが、当たり前とも言え、これを読んだから選択する医療が変わってくる、という人は多分少ないと思います。もちろん私も、「ホメオパシーや〜めた」とかなりませんし、効くか効かないかは自分が決めるよ、と言いたいところです。
現代の科学ではここまでだけれど、将来違う結論がもしかしたら出るのかもしれません。そう思うことにします。
代替医療に関わる人、実践中の人、代替医療に興味のある人は一読の価値ありだと思います。
日本では代替医療に頼る患者の大部分が自費負担(=医療保険がきかない)で、その市場規模は数兆円にも上るとか。
さて、日本の政治は代替医療について研究するプロジェクトチームを発足させたようですが、導入を推進していくのでしょうか。健康寿命を延ばすためなら、他にもすべきことがたくさんあるのに、代替医療の推進って・・・鳩山さんの鶴の一声でしたけど、ずいぶん飛んだ発想ですよね。
こちらも目が離せません。