この秋冬のMBT新製品、木型が少し変更された点はお伝えしているとおりです。
トレーナーの私たちは
「従来の木型よりゆび周りにゆとりが出て、かかとはぴったりフィットするようになった」→「メリージェーンタイプなどでもかかとが(カパカパと)浮きにくくなる」→「コルクによるボリューム調整があまり要らなくなるのでは?」と目論んでいました。
が、コルクを使う量が一向に減りません。むしろ増えた気さえします。
なぜでしょう?
秋冬の製品を販売し始めて約2ヶ月経ちわかったことですが、上記の改良はあくまでも正しい動作で使った時にそう感じるのであり、歩行パターンが間違っている場合は、まったくもってフィット感があがったように感じないみたいです。
そうなると何枚コルクを入れて調整しようと、歩きやすくはなりません。ゆびがほぼ動かないくらいまでMBTのサイズを下げるとフィットして歩きやすくはなりますが、小さすぎると判断したサイズでは決してお売りしていません。
残念ながら、歩く時の力の使い方を間違っている方が大勢いらっしゃいます。
ちょっと反省した次第です。
「かかとがゆるい」とか「くるぶしがあたる」と言われると、すぐにコルクをチョキチョキやって調整に入っていました。
「歩きやすくなった」と言われると、すぐに安心していました。
でも本来は
・正しいサイズ選択をして
・すべりにくい素材の靴下を履いて
・バランスエリアに乗ったままかかとをしっかりと沈め続け
・ゆびを伸ばすような意識で
歩いていただければ、それほどかかとが浮くことはないはずです。
ブーツも、パンプスも、メリージェーンもみんなそうです。
かかとの骨がきちんと立つとくるぶしもあたらないはずです。
調整より先に「歩行トレーニング」が必要なのですが、お客様にいまひとつその必要性が伝わっていません。
私たちの説明不足かな、と思います。
どうしても必要な場合は、コルク等を使って調整はしますが、最小限にしなければいけないと思いました。
木型がよくなった(日本人にとって都合の良い木型になっています)のは確かです。だからこそ、快適に歩けない時は、歩行動作を見直す良いチャンス!と思って、どうやったら気持ちよく歩けるようになるのか、ご自身の動作を研究していただくことも必要です。
「そんな面倒臭い靴イヤだ!」
という声が聞こえてきそうです。
MBTを「ただの楽ちんな靴」にするか「美しく活動的な身体を手に入れる用具」にするか、は使う方次第です。
偉そうに言ってますが、私の足(身体)もまだ全然ダメです。崩れた立体をまだ修復できていません。MBTだけではどうにも出来ない部分もあるのですが。
まあ、動作や姿勢には完璧というものはなく、その人の個性もあって良いと思います。その点もふまえ、歩行トレーニングも個人個人に応じた内容で進めています。MBTを脱いでもらって、ゆびが見える状態でのエクササイズも少し増やしていきたいな、と考えています。
半年以上お履きの方では、靴底の減り方、アッパーの変形なども合わせて確認していきます。見ればおおよそ歩き方がわかるので。
クドクドやっていきますが、店頭でのエクササイズ、またはセミナー等で反復しながらしっかり習得して下さいね!